急速に普及したオンライン診療の今後はどうなる?

医師の転職

2023.06.24

新型コロナウイルス感染症が「五類感染症」へと分類が変わり、アフターコロナへ移行しつつある今、発熱外来でも対面診療が再開するなど医療機関の対応緩和が行われています。

 

感染対策としてオンライン診療が急速に普及し、保険診療の適用となったことで利用者も増えましたが、そのオンライン診療はこれからどうなっていくのかをまとめてみました。

 

オンライン診療が始まってしばらく経った現在の評価は?

 

「オンライン診療」という名称は、コロナ禍で急速に目にするようになったと思いますが、医師と患者が対面せずに行う「遠隔診療」自体は、1990年代からありました。

 

当初は慢性的な疾患に対する診察だけだったり、離島など医師が常駐していない場所に限られていたりと制限も多く、それほど普及していませんでした。

 

インターネットの普及によって少しずつ制度の見直しがされていましたが、大きく変化したきっかけが新型コロナウイルス感染症の拡大でした。

 

厚生労働省が発表した令和4年(10月~12月)における電話診療・オンライン診療の実績では、全医療機関数の約16%の普及率です。

 

遠隔診療のときには全体の2%にも満たない普及率でしたが、そこから増えたとはいえまだまだ低い普及率であることが分かります。

 

患者層は、20~50代、20歳未満から小児まで若年の利用者が多いですが、元々がスマートフォンやアプリを活用した通信が得意な世代でもあり、一度利用したことでリピートする人も多く満足度は高いと言えるでしょう。

 

反対に60代以上の世代では、通信機器に不慣れな点や対面診療への安心感を求めて従来の診療を求める傾向があります。

 

病院側としては、オンライン診療の導入に向けて機器や通信環境・セキュリティに関する対応も必要ですし、診療内容や診察の流れが変わることで、医師をはじめ看護師や事務など全体への影響があります。

 

保健診療の対象になったとはいえ診療報酬が低いことや、実際に通院している患者層がオンラインへ移行することが可能か、新たな患者が増えても対応できるのかなど多くの課題に対応しなくてはなりません。

 

医師も基本的には問診がメインとなり症状の把握がしづらいので対面を求める声もありますが、感染リスクが下げられること、あらかじめ時間枠が決まっていることで、診察室の外が混雑しないといったメリットもあります。

 

他にも、医師はオンライン診療を実施するにあたって厚生労働省が指定する研修を受ける必要があります。

 

近年制度やシステムが拡大してきたこともあり、これから変更が入る可能性もあります。

医師・医療機関でも導入前から導入後にも柔軟な対応が求められることになるでしょう。

 

 

オンライン診療の求人は増えつつある?医師の働き方は変わる?

 

オンライン診療に関する求人のなかには、病院の診察室で外来対応と並行してオンライン診療を行うものや自宅から行うフルリモートワークのものがあります。

 

いずれも需要が見込まれるため、求人とそれに対して応募する医師の数も増加しています。

 

コロナ禍で発熱外来などのオンライン診療が話題になりましたが、診療科目はそれにとどまらず生活習慣病などの継続的な診察や心療内科のカウンセリング、婦人科のピル処方やAGA、ED相談などもオンライン診療の間口が広いようです。

 

求人の多くはアルバイトとして単発や週何回と指定されているものが多く、常勤の仕事と両立することが可能です。

 

これまでも常勤の仕事以外にアルバイトや定期非常勤の仕事を掛け持ちしている医師は多くいましたが、在宅で完了できる求人も増えたことで働き方の幅は大きく広がり、変化してきたと言えるでしょう。

 

アフターコロナで、オンライン診療はどう変わる?

 

コロナ禍で医療体制が変化したことを受け、「まずは病院へ行く」という従来の行動から、「オンライン診療を受けてみる」という選択肢が増えました。

 

アフターコロナとなっても、オンライン診療を継続する理由のひとつに「健康相談」というものがあります。

 

これは、軽度な症状や少し気になる程度の健康状態をオンライン上で相談することを目的としています。

 

患者にとっては気軽に自宅から相談できますし、医師も経過観察がスムーズ済むので双方にメリットがあります。

 

また、最近ではピルの処方もオンラインで可能となりました。

婦人科系の相談や処方、男性特有の症状など、プライベートゾーンやあまり人に知られたくない症状の診察がオンラインでできることで需要が高まっています。

 

美容に関わるものでは、まずはオンラインで相談をしてから、施術や処方を受けるために来院するというケースもあります。

 

これまでいきなり病院にかかるのは気が引けると感じていた層も、最初の相談がオンラインでできるようになりハードルが下がったため、利用者が増えつつあります。

 

全ての疾患をオンライン診療で解決することはできませんが、必要とされる診療科は多くあります。

 

病院側としても、システムを導入したことで今後も活用範囲を広げていくでしょうし、利用者が増えることで保険の範囲や制度の緩和がされる可能性もあります。

 

アフターコロナであっても、これからの医療の質を高め、医療従事者の働き方が変わる方法としてオンライン診療は継続されることでしょう。

 

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